【Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜】朝のルーティンを見ているだけで好きになれた。

絵を塗るゲームなのに、好きになったのは朝ごはんの時間でした。
コーヒーを淹れて、目玉焼きを焼いて、部屋の中を歩く。
『Behind the Frame』は、そんな何気ない動きだけで一気に惹かれた
短編ゲームでした。

目次

ゲーム紹介

Behind the Frameは、キャンバスに色を塗りながら進めていく短編のポイント&クリックアドベンチャーです。
最初に使える絵の具は1色だけで、各チャプターに用意された謎を解くことで新しい色が手に入ります。
その色をキャンバスに塗っていくことで次のチャプターに進んでいく流れです。
ただ色を増やしていくだけではなく、その色にちなんだエピソードが挟まるのも上手くて、ただの作業っぽさがありませんでした。
プレイ時間は2時間ほど。短いけれど、記憶に残るゲームです。

プレイ体験

最初の印象|絵を塗るだけで、ちょっと気分が良かった

ゲームは、主人公の女性がキャンバスに色を塗るところから始まります。
プレイヤーはマウスでキャンバスに色を置いていくのですが、普段あまり絵を描かない自分には、それだけでもかなり新鮮でした。
色を塗り終わったあとには、チルゲーお馴染みの儀式みたいな時間があります。

そう、エモいラジカセで音楽を流す儀式です。
カセットテープを入れて、スイッチを入れて、静かに朝が動き出す。

こういう何気ない所作をちゃんと触らせてくれる時点で、かなり好みでした。
この時点では、気持ちよく浸れるタイプのゲームという印象が強かったです。
絵もきれいだし、音もやさしいし、「休日にひとりで遊ぶにはちょうどいいやつだな」と思っていました。

中盤の変化|ただのチルゲーじゃ終わらない

でも、遊んでいくうちに少しずつ見え方が変わってきます。
絵を塗り終えたあと、朝のルーティンが始まります。

音楽を流す、コーヒーを淹れて、朝食を作る。

やっていることだけ見ると本当にそれだけなんですが、とにかく動きが気持ちいいんです。
目玉焼きとトーストまで妙においしそうで、見ているだけで少し嬉しくなる。
このへんでまず、「このゲーム、思っていたよりずっと手が込んでるな」と感じました。

さらに、窓の外や部屋の中を見ていると、少しずつ違和感も出てきます。
外には絵を描いているお爺さんと猫がいるのに、こちらの反応にちゃんと応えてくれない。
部屋の中にも、どこか引っかかるものがある。
次の日になると、「昨日やったはずなのに」と思うようなズレも出てきて、ただのチルゲーだと思っていた印象が少しずつ崩れていきました。
このあたりから、一筋縄では終わらないゲームなんだなと分かってきます。
静かなまま、じわじわ気になる。そこがかなり良かったです。

刺さった瞬間|生活の動きだけで一気に好きになった

自分がこのゲームを好きになったのは、朝のルーティンを見ている時間でした。

音楽を流す、コーヒーを淹れて、朝食を作る。

本当にそれだけの場面なのに、ひとつひとつの動作がとにかく動く。
ちゃんとこの人がここで暮らしている感じがあり、生活の所作で好きにさせてくるゲームでした。
インディーゲームって、開発人数が少ないぶん、ディテイルよりもアイデア勝負という印象があったんですが、
こういう細かい動きまでちゃんと作り込まれると、そのイメージも少し揺らぎます。

「雰囲気がいい」だけじゃなくて、触っていて気持ちいい。見ていて気持ちいい。
その積み重ねで、一気に好きになれました。

なんでこんなに動いて見えるのか

インディーゲームとは思えないアニメーションは間違いなくこのゲームの魅力です。
でも、よく観察すると、ずっと派手なアニメーションが入っているわけではありません。

ゲームを通してずっと動いているように見えるのは、小さな動きの演出が本当に上手いからです。
たとえば、

  • デッサンをするときの手の動き、筆先がキャンバス外側に近づくと傾く
  • ポイント&クリックすると、一度対象に向けて画面がズームされる
  • 手帳を開く時に、画面右下に見えてる手帳が、画面中央にスライドする
  • コーヒーメーカーの細かい振動や、ランプの点灯
  • 目玉焼きを焼いているときの油跳ね
  • タイピング時のキー入力

など、挙げ始めるときりがありません。
アニメみたいに見えるのは、枚数の多い派手な動きというより、こういう細かい反応の積み上げが効いているからだと思います。
だからこそ、よく動くゲームとして記憶に残るんだと思います。

微妙だなと思ったところ

大きく気になる欠点は、正直あまりありませんでした。

ただ、購入前に知っておいたほうがよさそうなことはあります。
まず、アクション性の強いゲームではありません。
テンポよく突破していくタイプではなく、空気や手触り、少しずつ増えていく違和感を味わうゲームです。
なので、戦闘やスピード感を求める人には少し物足りないかもしれません。

もうひとつは、ポイント&クリック系に苦手意識がある人だと、最初だけ少し身構えるかもしれないことです。
ただ、その点はかなり親切でした。背景は絵画っぽく、クリックできる場所は少しアニメっぽく見せてくれているので、
どこが反応するのか分からなくて総当たりになる感じはほとんどありませんでした。

向いている人、向いていない人

向いている人


短時間で、しっかり心に残るゲームを遊びたい人

可愛い絵柄のアニメーションに惹かれる人

音楽や演出をじっくり味わいたい人

難しすぎないポイント&クリックアドベンチャーを探している人

こんな人は注意


✖高難度のパズルや歯ごたえの強い謎解きを求めている人

テンポの速いアクション性のあるゲームを遊びたい人

すぐに強い展開や刺激が欲しい人

ストーリーを明確な言葉で説明してほしいタイプの人

一言まとめ

インディーゲームはアイデア勝負、と思っていた自分が少し浅かったです。

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この記事を書いた人

お腹にじゃがいもを宿す男。
個人でゲーム開発をする傍ら、
プレイしたインディーゲーム感想ブログを運営中。
youtubeにて、簡単なゲーム紹介動画も作成しているので是非見てね!

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