
ただの“修理パズルゲーム”だと思っていました。
実際に触れてみると、おしゃれで心地よいチル体験。
さらに、進めていくうちに気づく。これは、物を直すゲームじゃない。
その向こうにいる「人」に触れていくゲームだった。
短時間なのに、じんわり心が温まる作品でした。
| ジャンル | パズル | プレイ人数 | 1人 |
| プレイ時間 | 2時間 | オススメ度 | ★★★★☆ |
| 日本語対応 | 〇 |

ゲーム紹介

Assemble with Careは、スペインの架空の町を訪れた主人公が、町の人たちの壊れた物を修理していくアドベンチャーパズルゲームです。
プレイヤーが扱うのは、カメラやゲーム機、音楽プレイヤーなど、どこか生活感のある品々。
やること自体はシンプルで、分解して、壊れた箇所を見つけて、正しい形に戻していくという流れです。
プレイ時間は約2時間。
難易度は高くなく、気軽に最後まで遊べるタイプの作品です。
“修理シミュレーター”のような本格派ではなく、雰囲気や物語を味わうゲームだと思っておくとしっくりきます。
プレイ体験

最初の印象:触れた瞬間に「これは良い」とわかる
まず驚いたのが導入の完成度。
カセットテーププレーヤーをセットすると、おしゃれなBGMが流れ、そのままスタート画面へ。温かみのあるイラスト、心地よいSE、やわらかな色使い。開始数分で、このゲームの空気にしっかり引き込まれました。
続くチュートリアルもかなり上手いです。
操作方法を直感的に教えながら、主人公の背景まで“物”を通して語ってくる。
この「物から人を感じさせる」見せ方が、このゲーム全体の魅力を最初からきれいに提示してくれます。しかも、この演出があとから効いてくるのも見事でした。
中盤の変化:修理しているのは、物だけじゃない

序盤は、ただ物を直しているだけなのに妙に癒やされます。
イラスト、BGM、SE、そして程よく触っていて気持ちいい操作感。その全部が噛み合っていて、作業そのものが気持ちいい。個人的には、ドライバーでネジを外す手触りがかなり好きでした。職人とは思えない勢いでボンドを塗る場面もありますが、そこはご愛嬌です。
そして中盤から、作品の見え方が少しずつ変わってきます。
修理する物には、その持ち主の生活や悩みがにじむ。依頼人たちが抱えているものが、会話や品物の状態から少しずつ見えてくるんです。
ただ、主人公はそこに踏み込みすぎません。
相手を“救う”わけでも、“正しい答え”を与えるわけでもない。
彼女にできるのは、あくまで物を修理することだけ。その距離感が本当に絶妙でした。だからこそ、押しつけがましさがなくて、物語がすっと胸に入ってきます。
刺さった瞬間:あのゲーム機が出てきた

個人的にテンションが上がったのは、見覚えのある携帯ゲーム機の修理シーン。
古いゲーム機を直す動画を、無心で見るのが好きな自分にとっては、「待ってました」と言いたくなる場面でした。しかも、モチーフになっているのがゲームボーイアドバンスSPっぽいのがまた刺さる。
管理人布団に潜ってこっそり遊んでいたあの頃を思い出して、妙に懐かしい気持ちになりました。
修理が終わったあとに入るちょっとした演出もよくて、このゲームならではの“物への愛着”がしっかり伝わってきます。
それにしても、どんな修理品にも替えのパーツを持っている主人公、さすがに頼もしすぎる。お前はドラえもんか。
なぜ、心に残るのか


このゲームが印象に残る理由は、「修理」という行為を、人間関係や記憶のメタファーとして使っているからだと思います。
壊れた物には、その人の使い方や暮らしが表れます。
そして、それを直す過程で見えてくるのは、単なる故障ではなく、その人が抱えている感情や関係性です。
気になる点
- 一部の操作がややわかりづらい
特に物を回転させるときや、画面中央にうまく置き直したいときに少し戸惑う場面がありました。感覚で進められるゲームだからこそ、その引っかかりが少し目立ちます。 - 難易度はかなり易しめ
本格的な修理ゲームや、歯ごたえのあるパズルを求める人には少し物足りないかもしれません。
逆にいえば、ゲームに慣れていない人でも触りやすく、短時間で気持ちよく遊べる作品ではあります。
向いている人、いない人
雰囲気のいい短編ゲームが好きな人
チル系の作品で癒やされたい人
レトロな機械や生活道具に愛着がある人
✖高難易度のパズルを求めている人
✖本格的な修理シミュレーションを期待している人
✖テンポよく刺激が続くゲームを遊びたい人
一言まとめ
壊れた物を直す気持ちよさと、壊れかけた関係をそっと見つめるやさしさが同居した、短くて美しい一本。



……ちなみにゲームボーイアドバンスSPは、布団の中で遊んでいたのが母にバレて、収納方向と逆向きに折られました。













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