【ファミレスを享受せよ】永遠の夜を、ドリンクバーと雑談で過ごすゲーム

なあ君、ファミレスを享受せよ。
月は満ちに満ちているし、
ドリンクバーだってあるんだ。

引用元:『ファミレスを享受せよ』

月が綺麗な夜は、ファミレスへ行こう。
たとえ、そこから永遠に出られなくなったとしても。

目次

ゲーム紹介

ファミレスを享受せよ』は、深夜のファミレス「ムーンパレス」で起こる、不思議な出来事を描いたノベルアドベンチャーです。
店内を歩き回り、個性豊かなお客さんたちと会話を重ねながら、ムーンパレスに隠された秘密を探っていきます。
深夜のファミレス特有のまったりとした空気に、少し哲学的なニュアンスを添えた作品です。
プレイ時間は2時間程度。
一人で静かに浸かりたい夜に、ぴったりの一本です。

プレイ体験

最初の印象月が綺麗なので、ファミレスへ

人気のゲームであることは知っていました。
ただ、どんなゲームなのかまではよく知らない。
タイトルを見ても、内容がまるで想像できません。

何はともあれ、少し期待しながらプレイを始めました。
どこか懐かしい8bit調のBGMに、まどろみの中にいるようなアンニュイなイラスト。
始まった瞬間から、もう雰囲気が満点です。

月が綺麗だからという理由で、主人公はファミレスへ向かいます。
訪れた店の名前は「ムーンパレス」。
席に着き、ソフトクリームを注文します。

しかし、いつまで待っても届きません。

さすがに遅いと思って店内を見渡すと、入店したときとは少し様子が変わっています。
店内にいるのは、王子様や、事情があって姿を見せられない人など、一癖も二癖もあるお客さんたち。
そんな彼らは、それぞれ思い思いに夜の時間を過ごしています。

主人公は店内を歩き回り、お客さんたちへの聞き取り調査を開始。
そして、一つの結論にたどり着きます。

どうやらここは、永遠に夜が明けないファミレスらしい。
主人公は、ムーンパレスに閉じ込められてしまったのです。

中盤の変化脱出できない。でも、少し居心地がいい

閉じ込められたとなれば、脱出方法を探すのがゲーマーというものです。
主人公も店内を調べ、お客さんたちと話しながら、外へ出る方法を探していきます。
しかし、簡単には手掛かりが見つかりません。
時計の針が進まない店内で、ただ会話だけが積み重なっていきます。

ところが、しばらく過ごしていると、不思議な感覚になってきます。
夜中のファミレスで、特に目的もなく話し続ける時間。
永遠の中で、行き場もなく会話を重ねる時間。

この二つが、驚くほど似ているのです。

どちらも時間の流れがゆっくりで、少しまどろんでいて、現実から切り離されている。
しかし、まったく同じではありません。
穏やかな雰囲気の奥には、どうすることもできない諦めが、静かに漂っています。

脱出できない。
でも、少し居心地がいい。

この心地よさと寂しさが入り交じった感覚こそ、本作でぜひ味わってほしい部分です。

刺さった瞬間雑談しかできない。それがゲームになる

ファミレスを享受せよ』が、なぜこれほど多くの人を引きつけたのか。
少しだけ、作品を俯瞰して考えてみます。
大きな理由は、
強烈なフックと、雑談を中心にした独特なゲーム性。
この二つが、きれいにかみ合っているからではないでしょうか。

まずは、作品のフックです。

なあ君、ファミレスを享受せよ。
月は満ちに満ちているし、
ドリンクバーだってあるんだ。

『ファミレスを享受せよ』

一度聞いただけで、妙に頭に残る言葉です。

まどろみの中にいるようなイラスト。
どこか懐かしいビット調の音楽。
月明かりに照らされた、夜のファミレス。

画面を見ただけで、「これは何だろう」と引っかかるものがあります。
似たような作品がすぐには思い浮かばないほど、世界観がはっきりしています。

そして、その世界観を支えているのが、雑談を中心にしたゲーム性です。
ムーンパレスでは、できることがほとんどありません。
店内を歩き、話題を見つけ、その話題を誰かに振る。
基本的には、その繰り返しです。
永遠に続く夜の中で、永遠に雑談を続けます。
冷静に考えれば、会話を読み進めるという点では、一般的なノベルゲームと大きく変わらないかもしれません。

しかし、

「永遠に閉じ込められたファミレスで、することがないから雑談する」

という状況を与えることで、一つ一つの会話が違って見えてきます。
会話は、物語を進めるためだけのものではありません。
終わらない時間を過ごすための暇つぶしであり、相手を知るための手段であり、自分がここにいることを確かめる行為でもあります。

ただ会話を読むだけだったものが、ムーンパレスで永遠を過ごす体験へ変わっている。
シンプルな仕組みを、尖ったシチュエーションによって独特なゲーム体験へ昇華しているところが、本作の見事なところです。

ちょっと寄り道管理人の一押しポイント!

皆さんは、ファミレスでの暇つぶしと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
私は、某ファミレスに置かれている間違い探しです。
なんとムーンパレスにも、間違い探しが完備されています。
しかも、原作をしっかり踏襲した高難易度。

全然見つかりません。

やはり、ファミレスで時間をつぶすなら間違い探しですよね。
永遠に時間があるなら、なおさらです。

微妙だなと思ったところ

ゲームを進めるには、店内で新しい話題を見つけ、その話題を各キャラクターに振っていく必要があります。
ただし、誰にどの話題を振ったのかは、自分で覚えておかなければなりません。
同じ話題をもう一度振ってから、

「ああ、これ前にも聞いたやつだ」

と思い出すことも多く、少しストレスを感じました。
新しい話題を手に入れるたび、全員に総当たりする場面も増えていきます。
会話そのものが魅力の作品だからこそ、既に聞いた組み合わせが分かる仕組みがあれば、より快適に楽しめたと思います。

向いている人、いない人

向いている人


深夜のファミレスの空気が好きな人

雰囲気や世界観に浸れるゲームを探している人

キャラクター同士の静かな会話を楽しみたい人

少し哲学的で、余韻の残る物語が好きな人

2時間程度で遊べる短編作品を探している人

こんな人は注意


✖会話を中心に進むゲームが苦手な人

自分で話題や手掛かりを探す作業が面倒に感じる人

テンポよく物語が進む作品を遊びたい人

目的が曖昧な時間を楽しめない人

一言まとめ

永遠の夜でも、サラダバーはいらない。

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ブログの管理人

じゃがいもの妖精

お腹にじゃがいもを宿す男。
個人でゲーム開発をする傍ら、
プレイしたインディーゲーム感想ブログを運営中。
youtubeにて、

ゲーム紹介動画も作成しているので是非見てね!

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