
なあ君、ファミレスを享受せよ。
引用元:『ファミレスを享受せよ』
月は満ちに満ちているし、
ドリンクバーだってあるんだ。
月が綺麗な夜は、ファミレスへ行こう。
たとえ、そこから永遠に出られなくなったとしても。
| ジャンル | ノベルアドベンチャー | プレイ人数 | 1人 |
| プレイ時間 | 2時間 | オススメ度 | ★★★ |
| 日本語対応 | 〇 |

ゲーム紹介

『ファミレスを享受せよ』は、深夜のファミレス「ムーンパレス」で起こる、不思議な出来事を描いたノベルアドベンチャーです。
店内を歩き回り、個性豊かなお客さんたちと会話を重ねながら、ムーンパレスに隠された秘密を探っていきます。
深夜のファミレス特有のまったりとした空気に、少し哲学的なニュアンスを添えた作品です。
プレイ時間は2時間程度。
一人で静かに浸かりたい夜に、ぴったりの一本です。
プレイ体験

最初の印象|月が綺麗なので、ファミレスへ
人気のゲームであることは知っていました。
ただ、どんなゲームなのかまではよく知らない。
タイトルを見ても、内容がまるで想像できません。
何はともあれ、少し期待しながらプレイを始めました。
どこか懐かしい8bit調のBGMに、まどろみの中にいるようなアンニュイなイラスト。
始まった瞬間から、もう雰囲気が満点です。
月が綺麗だからという理由で、主人公はファミレスへ向かいます。
訪れた店の名前は「ムーンパレス」。
席に着き、ソフトクリームを注文します。
しかし、いつまで待っても届きません。
さすがに遅いと思って店内を見渡すと、入店したときとは少し様子が変わっています。
店内にいるのは、王子様や、事情があって姿を見せられない人など、一癖も二癖もあるお客さんたち。
そんな彼らは、それぞれ思い思いに夜の時間を過ごしています。
主人公は店内を歩き回り、お客さんたちへの聞き取り調査を開始。
そして、一つの結論にたどり着きます。
どうやらここは、永遠に夜が明けないファミレスらしい。
主人公は、ムーンパレスに閉じ込められてしまったのです。
中盤の変化|脱出できない。でも、少し居心地がいい

閉じ込められたとなれば、脱出方法を探すのがゲーマーというものです。
主人公も店内を調べ、お客さんたちと話しながら、外へ出る方法を探していきます。
しかし、簡単には手掛かりが見つかりません。
時計の針が進まない店内で、ただ会話だけが積み重なっていきます。
ところが、しばらく過ごしていると、不思議な感覚になってきます。
夜中のファミレスで、特に目的もなく話し続ける時間。
永遠の中で、行き場もなく会話を重ねる時間。
この二つが、驚くほど似ているのです。
どちらも時間の流れがゆっくりで、少しまどろんでいて、現実から切り離されている。
しかし、まったく同じではありません。
穏やかな雰囲気の奥には、どうすることもできない諦めが、静かに漂っています。
脱出できない。
でも、少し居心地がいい。
この心地よさと寂しさが入り交じった感覚こそ、本作でぜひ味わってほしい部分です。
刺さった瞬間|雑談しかできない。それがゲームになる

『ファミレスを享受せよ』が、なぜこれほど多くの人を引きつけたのか。
少しだけ、作品を俯瞰して考えてみます。
大きな理由は、
強烈なフックと、雑談を中心にした独特なゲーム性。
この二つが、きれいにかみ合っているからではないでしょうか。
まずは、作品のフックです。
なあ君、ファミレスを享受せよ。
『ファミレスを享受せよ』
月は満ちに満ちているし、
ドリンクバーだってあるんだ。
一度聞いただけで、妙に頭に残る言葉です。
まどろみの中にいるようなイラスト。
どこか懐かしいビット調の音楽。
月明かりに照らされた、夜のファミレス。
画面を見ただけで、「これは何だろう」と引っかかるものがあります。
似たような作品がすぐには思い浮かばないほど、世界観がはっきりしています。
そして、その世界観を支えているのが、雑談を中心にしたゲーム性です。
ムーンパレスでは、できることがほとんどありません。
店内を歩き、話題を見つけ、その話題を誰かに振る。
基本的には、その繰り返しです。
永遠に続く夜の中で、永遠に雑談を続けます。
冷静に考えれば、会話を読み進めるという点では、一般的なノベルゲームと大きく変わらないかもしれません。
しかし、
「永遠に閉じ込められたファミレスで、することがないから雑談する」
という状況を与えることで、一つ一つの会話が違って見えてきます。
会話は、物語を進めるためだけのものではありません。
終わらない時間を過ごすための暇つぶしであり、相手を知るための手段であり、自分がここにいることを確かめる行為でもあります。
ただ会話を読むだけだったものが、ムーンパレスで永遠を過ごす体験へ変わっている。
シンプルな仕組みを、尖ったシチュエーションによって独特なゲーム体験へ昇華しているところが、本作の見事なところです。
ちょっと寄り道|管理人の一押しポイント!

皆さんは、ファミレスでの暇つぶしと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
私は、某ファミレスに置かれている間違い探しです。
なんとムーンパレスにも、間違い探しが完備されています。
しかも、原作をしっかり踏襲した高難易度。
全然見つかりません。
やはり、ファミレスで時間をつぶすなら間違い探しですよね。
永遠に時間があるなら、なおさらです。
微妙だなと思ったところ
ゲームを進めるには、店内で新しい話題を見つけ、その話題を各キャラクターに振っていく必要があります。
ただし、誰にどの話題を振ったのかは、自分で覚えておかなければなりません。
同じ話題をもう一度振ってから、
「ああ、これ前にも聞いたやつだ」
と思い出すことも多く、少しストレスを感じました。
新しい話題を手に入れるたび、全員に総当たりする場面も増えていきます。
会話そのものが魅力の作品だからこそ、既に聞いた組み合わせが分かる仕組みがあれば、より快適に楽しめたと思います。
向いている人、いない人
深夜のファミレスの空気が好きな人
雰囲気や世界観に浸れるゲームを探している人
キャラクター同士の静かな会話を楽しみたい人
少し哲学的で、余韻の残る物語が好きな人
2時間程度で遊べる短編作品を探している人
✖会話を中心に進むゲームが苦手な人
✖自分で話題や手掛かりを探す作業が面倒に感じる人
✖テンポよく物語が進む作品を遊びたい人
✖目的が曖昧な時間を楽しめない人
一言まとめ
永遠の夜でも、サラダバーはいらない。





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